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おっこちょこいのブログ

クズが伸し上がる為の精神論をちょくちょく書いているクソブログ

トムソンというギターから私のロックな人生が始まった (第2話)

人生
音楽会は約3ヶ月後。やれるのか。いや、やらねばなるまい。その日から特訓が始まる。まず始めるにあたって最初の課題だ。部屋で楽譜を広げる。うむ。技術的にはそれ程でも無さそうだ。イングヴェイマルムスティーンのような24連譜スウィープなどは見当たらない。とりあえず1音1音大切に心を込めて弾けば何とかなるだろう。それより現段階で立ちはだかる大きな山をまず克服せねばならない。

「楽譜が読めない」

これがド?ミ?え?ラ?ちょっと一回全部カタカナで音符にフリガナ振っていこう。そしてギターの音と照らし合わせて、ギターのドはこれだからシはここだよな、あ、違う、あれ?こんな曲だっけ?駄目だスピードが遅すぎてメロディーが掴めない。んでこの#的なやつ何?え?あれ?指がジョジョみたいになってる。

「これ2年ぐらいかかるよね」

あくる日の音楽の時間、第一回目の練習だ。皆それぞれ自分が使うギターを選んでいる。どれが良いの?なんて聞かれたりして「全部そんなに変わんないよ」なんて答えるがそもそもクラシックギターを触るのは私も初めてだ。しかし悟られてはいけない。余裕をカマしながら、俺は何でも良いよみんな好きなの選びなよ。定位置に着いて基本的な弾き方を先生から学ぶ。ここで私は皆が気付くように伝家の宝刀を出す。

「ピック」

なにそれ!おちょいすげえ!プロみてえじゃん!大阪なので正確には「なんやそれ!」「おちょいシブすぎるやろ!」「プロやんけ!」となる。ピノキオの如く私の鼻は黒板をブレイクスルーしていた。さぁ皆が注目する中、最初の音出しだ。軽いtouchで全ての開放弦(コードが押さえられない)をポロポロリーンと鳴らす。歓声が上がる。素晴らしい。なんて気持ちが良いのだ。ロックスターはこんな気持ちなのか。続けて恍惚な表情で単音の音を出す。

「ビンロロロ~~オォォォォォン~〜~ビヤン」

しまった!力の加減が分からない。そして音がデカい。当たり前だ。エレキとは違ってサウンドホールがあるのだ。生音がデカい。焦った私はネックから少し顔を上げて皆の様子を確認する。良かった。まだ皆はどういう音が良くてどういう音が悪いのか分かっておらず気づいていない。助かった。安堵しながら音楽教師に目をやると30年経った今でも鮮明に記憶する表情をしていた。

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流石だな。俺はただの音楽教師だとあんたを見くびってたよ。あんたはプロだ。今のビンヨヨヨンで全てを察知したようだな。そうだ。あんたが今思っている通りだ。俺はギターが弾けない。時間にして数秒、同級生の話し声の喧騒の中、音楽教師と見つめ合った。先生さっきより目がくぼんで見えるけど大丈夫?などと思いながら2人は覚悟を決めた。俺と心中だよ先生。そう思ったその時、先生が

「はい、静かに~。メロディーはおちょいくんだけじゃなくて、ハモリも入れて5人にしましょう。」

私の音を分散させる作戦に出たようだ。センテンススプリング!

To be continued...